2024年8月、延岡市は株式会社みらいワークスの副業プラットフォーム「Skill Shift(スキルシフト)」がタッグを組み「延岡の水産業活性化プログラム」にツアーを実施されました。

株式会社みらいワークス(英:Mirai Works Inc.、証券コード 6563)は、2012年3月に設立され、人材紹介・派遣・プロ人材マッチングなどを手掛ける企業です。2017年12月に東京証券取引所マザーズへ上場を果たしました。

同社のサービス範囲には、フリーランスやプロ人材を対象とするマッチングプラットフォーム、転職支援、地方副業・兼業支援などが含まれています。もともと地方の仕事が多かったため、複業サービス設計やオペレーションにも関心があり、 今回、初めてユーザーとして応募をしてみました。

宮崎県の水産業の活性化へ知恵を貸すプログラム

本ツアーに参加者は、 兼業人材の5名。約30名以上の応募者の中からの選出いただきました。大変ありがたい限りです。

まず、課題のテーマが6次産業化に近く、専門性が活かせると感じました。
そして、宮崎県延岡市の兼ねてから興味があったので、今までの自分の成長を“腕試し”できるチャンスだと考えて、応募しました。

この地域は、6次産業の商品として有名な「ちりめんアヒージョ」を製造している企業様がいらしゃるので、もともと非常に関心が高い市だったのが大きかったのです。

ちりめん・目光の漁獲量はダントツ!土々呂地区。

宮崎県北部に位置する延岡市の漁業の盛んな土々呂(ととろ)地区という場所が舞台でした。

延岡市の水産業は、人手不足や気候変動による漁獲量の変化などさまざまな課題を抱えています。

現地の水産事業者さまへ実際にヒアリングをする2泊3日は、どこか懐かしく、6次産業化プランナーとして全国を駆け巡る活動を思い出すものでした。

水産業に関わる人たちの経営課題が、浮き彫りに

延岡市といえば、目光。この漁獲高が年々減承知している

初日は、延岡市内の「内藤記念館」や「愛宕山」を訪問。延岡市の歴史や風土を肌で感じて、地域の理解を深める日でした。

2日目は、主に地元の漁師、水産加工業者、漁協への現場訪問をして、課題に対してのヒアリングをしました。

最終日の3日目、ヒアリングをもとにプレゼンテーションを仕上げて、発表会が行われました。

発表する相手は、宮崎県延岡市の読谷山 (よみやま)市長、みらいワークス株式会社 代表取締役社長の岡本祥治さん。

そして、ヒアリング取材に協力をいただいた生産者さま、地元メディア、住民の皆さまたちでした。 集まった約80名の観客の投票により、グランプリが決定されます。私の登壇は、4番目。

私の提案は人材不足の解消と所得向上を同時に達成させる「おにぎりキッチンカーFC事業」

私がプレゼンしたのは、 「地元素材を使ったおにぎり専門店のキッチンカーです。そして、これをフランチャイズ(FC)展開するというものです。

まず、延岡の水産物で市場に出回らない魚は漁協の競りにはかけられないので、漁師が自由に取り扱ってよいルールがありました。これが、少しでも収益になることを考えたとき、なめろうのような惣菜を想起しました。

前にくらコーポレーションが経営する「くらすし」でネタにならない魚だけを集めて1品の惣菜にしていたことがあり、社会的にフードロスにもつながり、経営側は魚体におけるロスが減少しますので、利益率が上がり、三方善しのメニューーだと思っていました。

そして、延岡の魚は目光が目立ちがちですが、魚種が豊富でした。そのため、魅力的なおにぎりの具材ができると考えました。 もともと、沖縄県の事業者のサポートで外食の市場調査をしており、「おにぎり専門店が増えている背景を調べていたので、データがありました。これらを考慮すると、延岡市の経営課題と非常にマッチすると考えました。しかもライバルも少なかったので。こちらのアイデアを膨らませました。

人の移動×宅配を同時に行い、生産性UP

㈱高橋水産 代表取締役 高橋社長

このアイデアを後押ししてくださったのが、インタビューで、素直に人材の悩みを吐露されていた株式会社高橋水産の高橋社長です。

僕は、丁寧に、素直に優しく教えてくださった高橋社長が大好きになりました(笑)。(とても素敵な製品をつくられているので2026年に出版する書籍でもタイアップでアヒージョを掲載させていただく予定です。)

きびなごのアヒージョ 

高橋社長は、アルバイト・パートの人材不足を課題にされていました。「近所の40代~70代の女性にはほぼ声をかけたとのこと。それでも、結局人口が少ないし、魚を切るような仕事は若い娘には人気がなくて集まらない」と話されていたのが印象的でした。そして、宅配で魚を運ぶと、工場で魚を切る人がいなくなってしまうから、それだけでも回らないと…。切実な課題がありました。

魚を切る人を探さずに、おにぎり専門店の若手スタッフを探す

私は、この人材不足も賄えるビジネスにしたいと考えました。

例えば、「魚を切る人」では募集をしてもパート・アルバイトが集まらないかもしれません。しかし、地元の高校生や若い方がやりたい仕事を用意して、運転ができる人が集まれば、市内へキッチンカーで獲れたての魚を宅配をしつつ営業ができます。まさに、一石二鳥です。

また、延岡市はさまざまなスタートアップの誘致の仕組みがあったので、異業種の社長がFCオーナーとなれば、人材を揃えることは難しくありません。

人材をそろえるための職種を変えるだけで、魚を切ることができる重宝するおばさまたちは、工場に留めることができると思いました。

プレゼンの実際の様子は、こちらの記事にて

最優秀賞を受賞。市長からの御礼メールにも感謝

そのような客の回転率、少人数で初期投資が少ない経営ができるビジネスモデルが、現状の課題解決の糸口になると考えて提案しました。初回、キッチンカーとしたのもPOCを回して、利益が見込めた場合、第1号店だけ直営にして、FCで飲食店でインバウンド需要を臨めると考えました。

また、プレゼンの時間が1~2分程度余ったので、ツアーの中で水産事業者さまから「維持費のかかる冷凍庫を有効活用できていないか?」という課題を聞いていたので、お土産として 冷凍庫の空きスペースをシェアリングするサービスと売上のシミレーションイメージを補足として提案しました。

これらの内容から、今回は私のプレゼンテーションが最優秀賞として選ばれました。新聞掲載も思い出となり、光栄でした。感謝申し上げます。

みらいワークス総合研究所 について

みらいワークス総合研究所(英:Mirai Works Research Institute/MWRI)は、みらいワークス社 内部に設けられた研究・情報発信部門で、プロフェッショナル人材の働き方・キャリア、外部人材活用や人的資本経営などをテーマに、調査・分析・出版・広報活動を行っています。

みらいワークス総合研究所は、みらいワークスの社内研究機能・メディア機能として位置付けられており、同社の事業基盤であるプロ人材サービスや地方創生支援等の知見を深め、発信していく役割を担っているようです。

みらいワークスは「人材サービスの提供企業」としての機能に加え、「知見・情報発信機能」を強化し、自社の事業価値を高めるとともに、クライアントや登録プロ人材、地方自治体・企業などに対して、より高度な視座・分析を提示できる体制を整えています。

代表の岡本さんを含めて、大変素敵な方たちばかりで、素直に経営者としても尊敬をしました。このあと、交流が生まれてバーが併設されている神谷町の本社オフィスにもご招待をいただきましたが、楽しそうなオフィス環境でした(笑)。

素敵な機会をいただきまして、有難うございました。